【ニッチなターゲットにアプローチ】JINSが進めるWeb行動ログからユーザー理解を深める方法

ニッチなターゲットもデータでユーザー理解

 全国に店舗を展開する、アイウエアブランドのJINSは、国内最大級のメガネ通販サイトも合わせて運営しています。JINSオンラインショップのメインユーザー層は30~40代、やや男性が多いのですが、手軽に買える価格と豊富なデザインで、老若男女問わずに愛用されるブランドです。ネットではメインユーザー層だけでなく、様々な世代の消費者へアプローチするため、多様なコラボレーション企画を展開しています。中でも特徴的なのは、「JINS PAINT」というメガネを自由にデザインできるサービスを活用した、アニメや漫画のキャラクターとのコラボレーション。色柄を組み合わせてカスタマイズし、自分だけのメガネやサングラスを作ることができます。ユーザーはメガネにペイントする感覚で、柄やスタンプを組み合わせ、オンラインで簡単にカスタマイズデザインを作ることができるのです。

コラボ企画では、こうしたオリジナルメガネだけでなく、鉄道の新型車両の素材を使用したメガネ等、テーマ毎にターゲットユーザーを設定。ネット上でも特定のアニメキャラのファンや、鉄道ファンなど、ニッチなターゲットに上手くアプローチする必要があるのですが、単純に性別や年代などのデモグラフィックだけではユーザーを特定できず、また従来のCookieベースのオーディエンスターゲティングでよく用いられる、興味関心カテゴリだけでは「漫画・アニメ」などセグメントが広すぎます。アニメとのコラボでも、タイトルごとに各ターゲットを判別しながらリーチしなければならない難しさがありました。

 そこで、推測だけでターゲティングを決めることをせず、データからターゲットユーザーの仮説を明らかにし、その人たちの実際のWeb行動ログを解析してユーザー理解を深め、広告配信先の選定やクリエイティブに活かすという、データドリブンなPDCAをまわすことに。Web行動ログは自社保有アクセス解析ログだけでは、ターゲットユーザーが普段、自社以外にどのようなサイトをよく見ているかまではわからないため、ヴァリューズが保有するWeb行動ログデータが用いられることになりました。

Web閲覧履歴からターゲットに特徴的なメディアを抽出

 具体的に、ターゲットユーザーの分析データを、どのように広告に活かしたのかを見ていきましょう。たとえば、鉄道会社とのコラボ企画。新型車両の車体に使用される、丈夫なステンレス素材をフレームに使用したモデルは、価格が2万円(税込)と、JINSの通常のプライスラインよりもやや高価ですが、数量限定でレア感が高い商品です。実際の電車の端材から生まれたメガネということで、メインターゲットは“鉄道ファン”としていましたが、ネット上のどこに広告を出せば鉄道ファンに的確なリーチができるのか、当初は見当がつきませんでした。男性が多いのでは……というイメージは描かれていたものの、それだけではユーザー層が広すぎます。一方で鉄道ファン向けサイトに出稿しただけでは、リーチの総量が足りないのではないかという懸念もありました。

 こうした課題を解決するため、ターゲットユーザーと彼らのネット上での行動を、データから明らかにしていきます。まず、ヴァリューズが定期的に実施しているアンケート調査結果から「鉄道」に興味関心が高いユーザーを抽出。そのユーザー群のWeb閲覧履歴データから機械学習を用いて「鉄道ファンにリーチしやすい媒体」を選定し、広告配信することにしました。ヴァリューズの行動ログパネル「eMark+」では、ユーザーへの意識調査と実際のWeb行動ログの両方をクロスして分析することができる、という利点があります。

 「鉄道ファン」をデモグラフィックデータから紐解くと、アンケート回答者で『鉄道』に興味のあるユーザーの属性は下図のようになり、「男性」「40代」がメインユーザー層であることがわかりました

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さらに、機械学習(潜在トピックモデル)を用いて広告配信媒体を選定していきます。機械学習により、人だけでは想起できない潜在的な関連ジャンルの媒体も選定できるメリットがあります。また、訪問者数が比較的少ないサイトやメディアも抽出でき、配信面の拡大にも有効です。

 

コンバージョン数が前月比で約2.3倍に改善

 実際に、「鉄道」興味関心層のWeb閲覧ログデータからトピックを抽出しクラスタリングすると、鉄道会社のサイトはもちろん、地方新聞系メディア、食べログなどのグルメ系メディア、じゃらんnetなど旅行系メディア、日経新聞などの大手新聞メディア、ヨドバシカメラなど家電通販サイトなどが特徴的な閲覧サイトとして上位にあがってきました。遠方に出かけて好きな鉄道の撮影をしたり、現地でグルメを楽しむなど、ユーザーのライフスタイルが垣間見えます。

 コーポレートサイトなど広告配信枠のないサイトもあるため、リストアップしたすべてのサイトに配信できるわけではありませんが、対象サイトを数千単位で抽出し優先的にディスプレイ広告を配信。デモグラフィックデータから把握したユーザーのオーディエンス条件も掛け合わせ、ターゲティング精度を高めました。配信結果では、ディスプレイ広告からのコンバージョン数が前月比で約2.3倍に改善。購入CPAでも目標をクリアすることができました

 

データからユーザーの行動特徴を明らかにし、ペルソナを描く

 最後に、今後のユーザーデータ活用の拡張について考えてみたいと思います。自社が複数ブランドを保有していたり、商品によりターゲット層が異なる場合、それぞれのユーザー像や検討プロセスを理解することは、マーケターにとって非常に重要でありながら、時間も労力もかかる仕事です。各担当者の思い込みや推測だけでディスカッションを始めると組織内の意見がなかなかすり合わず、共通認識としてペルソナを描くことが難しくなってきます。そのような時、実際のユーザーの行動ログは、消費者の代弁者として様々な示唆とエビデンスをもたらしてくれます。

 データドリブンなユーザーリサーチは、広告のターゲティング手法に活かすだけでなく、ユーザーの検討行動を可視化するカスタマージャーニーの作成や、クリエイティブ、コンテンツ企画、商品開発等、ネット企業のみならず、メーカーや金融機関など様々な企業のマーケティング部門で活用され始めています。今後、さらに各種データとの統合が進み、よりターゲットユーザーを多面的に捉えることができるようになるでしょう。ユーザーデータ活用の進化は続いています。

 

考察

本記事を要約すると、web行動データを用いてより具体的なペルソナ設計をするという内容。少々文字数の多い記事であったが、とても勉強になる記事だと思ったので取り上げた。以下、面白いと思ったポイント2点あげていく。

 

1.驚異のCVR前月比2.3倍

ターゲティングの精度を高め、より本質的な広告戦略をとることで2倍以上の成果を出すことができるとは。まさにweb広告の可能性を垣間見た気分になった。

ここで注目すべきはペルソナの設計方法だとおもう。

JINSのプロモーションでは、設計を社員間のイメージではなく、「ユーザーのweb行動データ」に基づいて行っている。ここにペルソナ設計の重要性を思い知った。

以前ペルソナ設計の課題に取り組んだが、私が参考にしたデータはネット上の口コミであり、言わば「ネット情報を基にした私の主観」で設計した。

これでは例えプロモーションを行ったとしても、大した成果を上げられなかったであろう。webマーティングの核心は「分析」であることがよく分かった。

 

2.メガネという商品で成果を上げる

今回の商材がメガネという「耐久消費財」である点にも注目したい。

耐久消費財といえば「原則として想定耐用年数が1年以上で比較的購入価格が高いもの」と定義され、もちろん消費財よりもCVまで繋げる難易度が高い商品だと思う。

そのメガネという商材でもターゲットを絞り込んでプロモーションすることで2倍以上の成果を上げられたことも驚いた。

これは本当にこれからのビジネスは、どんな企業にも優秀なwebマーケターが必要になってくると実感した。自分も「普通のwebマーケター」と呼ばれる将来を迎えないように頑張ろうと思った。

ニッチなターゲットもデータでユーザー理解

 全国に店舗を展開する、アイウエアブランドのJINSは、国内最大級のメガネ通販サイトも合わせて運営しています。JINSオンラインショップのメインユーザー層は30~40代、やや男性が多いのですが、手軽に買える価格と豊富なデザインで、老若男女問わずに愛用されるブランドです。ネットではメインユーザー層だけでなく、様々な世代の消費者へアプローチするため、多様なコラボレーション企画を展開しています。中でも特徴的なのは、「JINS PAINT」というメガネを自由にデザインできるサービスを活用した、アニメや漫画のキャラクターとのコラボレーション。色柄を組み合わせてカスタマイズし、自分だけのメガネやサングラスを作ることができます。ユーザーはメガネにペイントする感覚で、柄やスタンプを組み合わせ、オンラインで簡単にカスタマイズデザインを作ることができるのです。

コラボ企画では、こうしたオリジナルメガネだけでなく、鉄道の新型車両の素材を使用したメガネ等、テーマ毎にターゲットユーザーを設定。ネット上でも特定のアニメキャラのファンや、鉄道ファンなど、ニッチなターゲットに上手くアプローチする必要があるのですが、単純に性別や年代などのデモグラフィックだけではユーザーを特定できず、また従来のCookieベースのオーディエンスターゲティングでよく用いられる、興味関心カテゴリだけでは「漫画・アニメ」などセグメントが広すぎます。アニメとのコラボでも、タイトルごとに各ターゲットを判別しながらリーチしなければならない難しさがありました。

 そこで、推測だけでターゲティングを決めることをせず、データからターゲットユーザーの仮説を明らかにし、その人たちの実際のWeb行動ログを解析してユーザー理解を深め、広告配信先の選定やクリエイティブに活かすという、データドリブンなPDCAをまわすことに。Web行動ログは自社保有アクセス解析ログだけでは、ターゲットユーザーが普段、自社以外にどのようなサイトをよく見ているかまではわからないため、ヴァリューズが保有するWeb行動ログデータが用いられることになりました。

Web閲覧履歴からターゲットに特徴的なメディアを抽出

 具体的に、ターゲットユーザーの分析データを、どのように広告に活かしたのかを見ていきましょう。たとえば、鉄道会社とのコラボ企画。新型車両の車体に使用される、丈夫なステンレス素材をフレームに使用したモデルは、価格が2万円(税込)と、JINSの通常のプライスラインよりもやや高価ですが、数量限定でレア感が高い商品です。実際の電車の端材から生まれたメガネということで、メインターゲットは“鉄道ファン”としていましたが、ネット上のどこに広告を出せば鉄道ファンに的確なリーチができるのか、当初は見当がつきませんでした。男性が多いのでは……というイメージは描かれていたものの、それだけではユーザー層が広すぎます。一方で鉄道ファン向けサイトに出稿しただけでは、リーチの総量が足りないのではないかという懸念もありました。

 こうした課題を解決するため、ターゲットユーザーと彼らのネット上での行動を、データから明らかにしていきます。まず、ヴァリューズが定期的に実施しているアンケート調査結果から「鉄道」に興味関心が高いユーザーを抽出。そのユーザー群のWeb閲覧履歴データから機械学習を用いて「鉄道ファンにリーチしやすい媒体」を選定し、広告配信することにしました。ヴァリューズの行動ログパネル「eMark+」では、ユーザーへの意識調査と実際のWeb行動ログの両方をクロスして分析することができる、という利点があります。

 「鉄道ファン」をデモグラフィックデータから紐解くと、アンケート回答者で『鉄道』に興味のあるユーザーの属性は下図のようになり、「男性」「40代」がメインユーザー層であることがわかりました

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さらに、機械学習(潜在トピックモデル)を用いて広告配信媒体を選定していきます。機械学習により、人だけでは想起できない潜在的な関連ジャンルの媒体も選定できるメリットがあります。また、訪問者数が比較的少ないサイトやメディアも抽出でき、配信面の拡大にも有効です。

 

コンバージョン数が前月比で約2.3倍に改善

 実際に、「鉄道」興味関心層のWeb閲覧ログデータからトピックを抽出しクラスタリングすると、鉄道会社のサイトはもちろん、地方新聞系メディア、食べログなどのグルメ系メディア、じゃらんnetなど旅行系メディア、日経新聞などの大手新聞メディア、ヨドバシカメラなど家電通販サイトなどが特徴的な閲覧サイトとして上位にあがってきました。遠方に出かけて好きな鉄道の撮影をしたり、現地でグルメを楽しむなど、ユーザーのライフスタイルが垣間見えます。

 コーポレートサイトなど広告配信枠のないサイトもあるため、リストアップしたすべてのサイトに配信できるわけではありませんが、対象サイトを数千単位で抽出し優先的にディスプレイ広告を配信。デモグラフィックデータから把握したユーザーのオーディエンス条件も掛け合わせ、ターゲティング精度を高めました。配信結果では、ディスプレイ広告からのコンバージョン数が前月比で約2.3倍に改善。購入CPAでも目標をクリアすることができました

 

データからユーザーの行動特徴を明らかにし、ペルソナを描く

 最後に、今後のユーザーデータ活用の拡張について考えてみたいと思います。自社が複数ブランドを保有していたり、商品によりターゲット層が異なる場合、それぞれのユーザー像や検討プロセスを理解することは、マーケターにとって非常に重要でありながら、時間も労力もかかる仕事です。各担当者の思い込みや推測だけでディスカッションを始めると組織内の意見がなかなかすり合わず、共通認識としてペルソナを描くことが難しくなってきます。そのような時、実際のユーザーの行動ログは、消費者の代弁者として様々な示唆とエビデンスをもたらしてくれます。

 データドリブンなユーザーリサーチは、広告のターゲティング手法に活かすだけでなく、ユーザーの検討行動を可視化するカスタマージャーニーの作成や、クリエイティブ、コンテンツ企画、商品開発等、ネット企業のみならず、メーカーや金融機関など様々な企業のマーケティング部門で活用され始めています。今後、さらに各種データとの統合が進み、よりターゲットユーザーを多面的に捉えることができるようになるでしょう。ユーザーデータ活用の進化は続いています。

 

考察

本記事を要約すると、web行動データを用いてより具体的なペルソナ設計をするという内容。少々文字数の多い記事であったが、とても勉強になる記事だと思ったので取り上げた。以下、面白いと思ったポイント2点あげていく。

1.驚異のCVR前月比2.3倍

ターゲティングの精度を高め、より本質的な広告戦略をとることで2倍以上の成果を出すことができるとは。まさにweb広告の可能性を垣間見た気分になった。

ここで注目すべきはペルソナの設計方法だとおもう。

JINSのプロモーションでは、設計を社員間のイメージではなく、「ユーザーのweb行動データ」に基づいて行っている。ここにペルソナ設計の重要性を思い知った。

以前ペルソナ設計の課題に取り組んだが、私が参考にしたデータはネット上の口コミであり、言わば「ネット情報を基にした私の主観」で設計した。

これでは例えプロモーションを行ったとしても、大した成果を上げられなかったであろう。webマーティングの核心は「分析」であることがよく分かった。

 

2.メガネという商品で成果を上げる

今回の商材がメガネという「耐久消費財」である点にも注目したい。

耐久消費財といえば「原則として想定耐用年数が1年以上で比較的購入価格が高いもの」と定義され、もちろん消費財よりもCVまで繋げる難易度が高い商品だと思う。

そのメガネという商材でもターゲットを絞り込んでプロモーションすることで2倍以上の成果を上げられたことも驚いた。

これは本当にこれからのビジネスは、どんな企業にも優秀なwebマーケターが必要になってくると実感した。自分も「普通のwebマーケター」と呼ばれる将来を迎えないように頑張ろうと思った。

アフィリエイト広告統合管理システム「AdCent(アドセント)」、アフィリエイトASP「GMO SmaAFFi」「GMO SmaAD」と連携

 a-works株式会社
アフィリエイト広告運用の選択肢を拡大。ASPの新規導入にもメリットあり。

 CtoCメディアマーケティングをリードするa-works株式会社(大阪市西区代表取締役:野山大彰)が提供するアフィリエイト広告管理システム「AdCent(アドセント)」と、GMOインターネットグループでインターネット上の集客サービスを展開するGMO TECH株式会社(代表取締役社長:鈴木 明人 以下、GMO TECH)の提供するアフィリエイトサービス「GMO SmaAFFi(スマアフィ)」「GMO SmaAD(スマアド)」がシステム連携を決定。AdCentをご利用中の企業様はトラッキングタグの設置や統合レポートの確認、承認作業といった、「GMO SmaAFFi」「GMO SmaAD」をはじめとした複数のASP管理をAdCentの管理画面上で実施可能となります。

 

 ■ アフィリエイト広告統合管理システム「AdCent」とは

 「AdCent(アドセント)」は、アフィリエイト広告管理者向けの運用管理システム。
A8.netやafb、ValueCommerceなど10以上の国内主要ASPサービスと連携しており、多岐に渡るアフィリエイト広告のデータを統合することが可能です。
分析機能にとどまらず、成果データ重複の自動防止や一括承認機能など、アフィリエイト広告運用の負担を軽減するサポート機能も多数搭載。
導入企業では、月の成果確認作業にかかる時間を従来の半分以下に圧縮することに成功した例もございます。

 

考察

現在、書評アフィリエイトの記事作成を1日1ページ自分に課しているため

アフィリエイトに関する記事を取り上げてみた。

記事内容は「新たなアフィリエイトの業務効率化システム」について。

アフィリエイトといえば、クライアント側からすると「使い方が難しい広告」というイメージを持っている。

一つのプロモーションに対して4000以上のサイトと契約しているが、実際に主戦力となっているサイトは10件ほどしかないという実例を知っている。実に400分の1の確立である。

おそらくアフィリエイト広告を主力広告の1つにしているほとんどのクライアントは、このような状態なのであろう。

つまり、砂漠の中からダイヤを探すのがアフィリエイト広告を利用するということなのだが、主力となるサイトを見つけるためにはほとんど成約に繋がらないサイトも管理しなければならないことになる。

もちろんアフィリエイトは成果報酬型の広告であるため、リスティング広告の入札並みの入念さではないと思われるが、塵も積もればなんとやらで平均4000件ものサイトと連携していれば、その確認作業の面倒さは容易にイメージできる。

 

このような状況に対し、アフィリエイト広告統合管理システム「AdCent」は画期的なシステムだろう。

導入企業で月の成果確認作業にかかる時間を従来の半分以下に圧縮できた、という成果は素晴らしいものだと思う。

確認作業などの保守的作業に充てる時間を半減できるシステムを開発することは、とても価値のあることだ。なぜならその空いた時間を、ほかの生産的な作業に回すことができるからだ。

ぜひ、これからもこのようなシステムが普及してくれることを願う。

ネット広告「不快になったことがある」75%。意図せぬ広告クリックは68%が体験【イーライフ調べ】

イーライフはEUにおけるGDPRの施行にあたり、日本国内で消費者のデジタルデータを扱う企業に向けた提言を「【レポート】GDPRによる消費者意識の変化とデジタルマーケティングの展望」としてとりまとめた(PDF、52ページ)。

ここでは上記レポートの作成にあたって自社コミュニティ会員2,388人(*)を対象に実施された「ネット上の個人情報と広告についてのアンケート」について紹介する。

*回答者の男女比は女性が3/4、年代では中高年が中心。詳細は調査概要を参照のこと

ネット広告に「不快になったことがある」が75%。理由は表示位置、内容との関連性など

「ネットに出てくる広告に対して不快になったことはありますか?」との設問に対し、75.1%が「ある」と答えた。

 

不快になったことがあると答えた1,793人に対してその理由を複数回答で聞いたところ、「見たいものに重なるなど、表示の位置」が73.9%、「閲覧中のページと関係ない広告だったから」が57.8%となった。

 

「文章や画像などの表現」「自分の行動を監視されているように感じる広告だったから」「自分が最近見たり買ったりした広告だったから」についても3割前後が挙げている。

不快に思った広告の商品・サービスに対する印象を聞いたところ「購入・利用したくないと思った」が75.5%、「何も思わない」が24.5%となった。

 

68%が意図せず広告をクリックした経験あり

「意図せず、ネット広告をクリックしたことがありますか?」との問いに対して、67.8%が「ある」と回答した。

 

前問で「ある」と答えた1,619人に、意図せずクリックした広告についてどう思ったかを聞いたところ、「不快に感じた」が73.5%、「何も思わない」が24.2%となった

 

アドブロッカーを「知らない」が8割。「好印象もしくは役立った広告がある」は2割

アドブロッカー(広告非表示ツール)をスマートフォンもしくはPCに入れているか聞いたところ、「そもそもそんなツールがあることを知らない」が79.5%と多数を占めた。「知っていて入れている」は7.6%、「知っていて入れていない」は12.9%。

 

「あなたが今まで見たネット広告で印象がよかった、または役立った広告はありますか?」との質問に対しては、「ある」19.4%に対して「ない」80.6%となった。

考察
今回の記事はネット広告の好感度に関する具体的なアンケート結果を集計したものだ。今までこのブログでは「ユーザーに対する不適切なネット広告の表示は、不快感を生む」といった内容を間接的に考察していたが、本記事のように具体的に数値として表すのは初めてであった。
この記事で私が特に注目した点は2つある。
1つは「ネット広告を不快に思った事があるか・印象はどうか」といった全ての質問に対して、「マイナスイメージである」という回答が4分の3を超えているということである。
これは驚愕の結果であった。
スマートフォンの普及によってインターネットを使わない日は無くなったといえる現代人にとって、ユーザーの目線を無視したネット広告の掲示は明らかなストレスを生んでいた。
たしかに、このネット広告のような「インターネットを使うことで感じるストレス」というのは想像以上に多い。このストレスはスマートフォンを使い始めた頃から感じていたが、いまだに解消されていない。
 
2つ目は「不快になった理由」に「自分の行動が監視されているように感じたから」という理由がランクインしていることである。
これは行動ターゲティング広告のことであろう。
実は私自身もこのような感想を常日頃感じている。
私は先月wordpressで新しくブログを始めるために「お名前.com」でドメイン取得を行ったのだが、それ以降インターネット上に頻繁に「お名前.com」の広告が表示されるようになってしまった。私は現時点ではこれ以上ドメインを取得する予定はないため、正直かなりしつこいなと思ってしまった。
 
行動ターゲティング広告は今までの記事で紹介した、電通デジタルの「True LIft Model」のように高い精度でターゲティングできるようになるなど、進歩の余地がおおいに存在する広告である。
しかし、ターゲティングの精度を向上するだけでなく、「いつターゲティングを解除するか」という技術も今後は求められてくるのではないだろうか。
やはりユーザーが不快に感じていてもそれを認識できず、延々と広告を表示してしまうということは、インターネットが機械であることがよく分かる事例である。
ここにもまた、機械ではなく、人間がてを加えるべき仕事があるなと感じた。

見られていない広告費だまし取り「アドフラウド」横行!アダルトサイトから勝手に飛ばしてカウント

 1兆5000億円超の市場規模があるネット広告で、不正な「飛ばしウラ広告」が広がっているという。企業地や自治体から広告費を不正に詐取、不当に横取りする手法で、日本インタラクティブ広告協会は「アドフラウド」などと名付けている。

   クローズアップ現代+の取材班は、あるアダルトサイトを調査した。このサイトを閲覧すると、見るつもりのない「まとめサイト」に勝手に飛ばされ、サイトの広告を見たとカウントされてしまう。そこには大手企業や国、自治体などの広告が掲載されていた。

広告代理店や配信事業者もチェックしきれず

   こうしたネット広告は、広告代理店や配信事業者を通して、さまざまなウェブサイトで構成される「アドネットワーク」に配信される。基本的にサイトの閲覧が多いほど、広告費も高くなる。

   NHKネットワーク報道部の田辺幹夫記者は「(広告の)配信先のウェブサイトはきわめて数が多く、広告代理店も配信事業者もすべてをチェックしきれないというのが実情です」と報告する。

   「自分たちの知らないところで、こういう被害というか。憤りを感じます」と広告がまとめサイトに配信されていた曽於市職員は話す。曽於市まとめサイトへの配信を停止した。

 

考察

今回の記事はネット広告の出稿に関する不正業者の存在について。

いままで紹介してきたようなネット広告の成長や便利な新システムの記事とは逆の、マイナスの側面に焦点を当てた記事の考察である。

記事に述べられているとおり、基本的に広告費はユーザーにインプレッションする回数をもとに決定される。そのため不正なサイトに悪用され、広告に全く関心のないユーザーに無理やり提示されるということは、広告費の無駄遣いになる上に、広告の商品のイメージダウンにつながりかねない。

また、この問題を難しくしている点はネット広告特有の「インターネットの広大さ」にも大きく関係していると思う。

インターネット上で不正な広告流用が行われているとわかっていても、その存在の特定は一筋縄ではいかないだろう。

インターネット広告市場はこれから一層増大していく。それに伴って不正行為を行う業者も必然的に増えていくことが想定できるため、インターネット運用側は自身の広告が悪用されている可能性を常に考えていく必要があるだろう。

また、この問題点に目をつければ「ネット広告のセキュリティ業」という業種も新たに広まっていくかもしれない。

IPアドレスを活用しネット広告配信の費用対効果が向上!「富裕層地域」「大学」「住宅着工数」ごとにターゲティング可能に 就職支援活動にも貢献

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 株式会社Geolocation Technology (本社:静岡県三島市 代表取締役:山本敬介(以下Geolocation Technology)は、IPアドレスを解析しユーザー属性を特定する独自の技術「IPジオロケーション」を活用し、「富裕層地域」「大学」「住宅着工数」のカテゴリーでターゲティングをしたユーザーに限定したバナー広告配信が可能になった「バナージャック」の提供を、2018年9月12日(水)より開始致しました。

 Geolocation Technologyは、インターネットユーザーの位置情報や企業情報等をIPアドレスから特定する、IP Geolocationの技術を有する国内唯一のテクノロジーカンパニーです。
 
 2017年のネット広告媒体費は前年比117.9%となり、デジタル広告の市場は拡大し続けています。[1]しかしその一方で、「ネット広告=嫌われもの」とされ、嫌われない広告を運用するためにはユーザーインサイトに合わせたコンテンツを表示することが重要です。

 この度、提供が開始された「バナージャック」は、IPアドレスからアクセスユーザーの位置情報や組織情報など様々な情報を取得可能なIP Geolocation(位置情報認識)技術を使い、「富裕層地域」「大学」「住宅着工数」ごとに細かくターゲティングされたユーザーに向け広告配信することが可能となりました。例えば、「富裕層地域」では世帯年収1,000万円以上の割合が多い地域のみに絞って広告が配信されます。
 これまで、Geolocation Technologyが提供するアドテクサービスは、ジオデータを紐づけたターゲティング手法が主に活用されていました。しかし、近年嫌われないデジタル広告運用のために様々なカテゴリでターゲティングできる技術が求められていることから、国内唯一の技術と外部データを紐づけた様々なユーザーデータを元にターゲティングすることで費用対効果の高いマーケティングを実現します。
 
 今後もGeolocation Technologyは、IPアドレスを核にした国内唯一の分析ノウハウを活用し、趣味思考など特定の条件を満たすユーザーへの配信など興味・関心に応じた広告配信が可能なサービスの展開を目指し、デジタルマーケティングにおけるターゲティングの精度向上に貢献致します。
 
考察
今回取り上げた記事はターゲティング技術の向上についてだ。
現在LPのペルソナ設計を課題として与えられている私にとっては、ターゲティング技術が向上することによってどのようなメリットがあるのか、考える価値があると思ったため取り上げた。
ターゲティング技術が向上することによって考えられるメリットは3つ。
・LPのより正確なペルソナ設計が可能になること。
新システム「バナージャック」を使用すれば、バナー広告がインプレッションするユーザーは広告の内容に強い関心を抱く確率が高まり、LPに誘導できる可能性が大きく向上する。
そして「バナージャック」によってすでにターゲットを絞り込んだバナー広告からLPにアクセスするのだから、誘導先のLPもかなりコアなターゲット向けにペルソナ設計することが出来る。これによってCVRの向上が見込めるだろう。
 
・不要な広告を表示されることによるユーザーのストレスの減少。
商品に全く無関心である層に対して広告を提示することは極力避けたいことだ。
これは私の意見だが、無関心である層に広告を何度もインプレッションすることは、結果として商品に対してマイナスイメージを持つユーザーを増やすことに繋がっていると思う。
快適にネットを利用したいユーザーにとって不必要な商品を何度も売り込まれることほどストレスなことはない。
ターゲティング精度が向上するということは商品の売り込み先のミスマッチを減少させられるのだ。
 
・インプレッション数の浪費を防止できる。
バナー広告などのネット広告を出稿する際、ユーザーとインプレッションできる回数は支払った金額によって固定されている。すなわち、まったく関心のないユーザーに対して広告をインプレッションすることは広告費の浪費になる可能性が極めて高いのだ。しかし今回開発された「バナージャック」のようにあらかじめインプレッションするユーザーを、より正確にターゲティングできていれば広告費の浪費も未然に防ぐことが出来る。
 
以上の理由によりターゲティング技術が向上することはwebサイト制作側にとっても、広告主にとっても、ユーザーにとってもメリットとなる。
我々webサイト制作側としては、日進月歩で進歩するターゲティング技術を100%の効力を発揮して利用できるように常に考え続けることが大事だろう。

Googleの「AMP」技術はインターネットを支配するか

あるAnonymous Coward曰く、 Googleは2016年にモバイルページを高速に表示させるための手法であるAMP(Accelerated Mobile Page)を提案した。AMPではGoogleのサーバー内にコンテンツがキャッシュされるため高速にコンテンツが表示される。また、GoogleはAMP対応サイトを検索結果ページに優先的に表示するといった優遇策も行なっていた。これに対し、「Googleの支配が強まるのでは無いか」という声が出ている。
 Mac Observerの共同設立者のBryan Chaffin氏は、AMPは、Googleが基本的にウェブのホスティングを支配するためのものだと主張する。GoogleにとってAMPで完全に構築されたウェブサイトは理想的な存在だ。読み込みが速く(クロールが速く)、理解しやすく(必須とされる構造化データのおかげで)、不要なクラッタや混乱(標準を破るようなもの)が存在しない。AMPのルールを守らないページは排除され、モバイル検索から消去される。
 Googleにとって副次的なメリットも存在している。それはAMP上では広告などにも決められたルールがあり、Googleによる広告の制御が可能になる点だ。不正な広告ネットワークや悪意のある広告を排除できるだけでなく、収益源はGoogleによって承認・規制されるようになっていく。
 Chaffin氏は、このGoogleによる支配を避けるため、家族や友人にGoogle以外の検索エンジンを使用し、chromeの使用を停止させ、選挙で勝利した議員などにGoogleの独占を調査するように依頼すべきだと主張している。

 

考察

今回この記事を読んで興味深く思ったことは、Googleという企業の役割についてだ。

以前の私とってGoogleという企業はインターネットの世界にごく当たり前に存在していて、PCを開いたら「Google」というロゴが表示されることに何の違和感も抱かなかった。そう、Googleが存在するから自由に検索エンジンを使用することができ、様々なことを知ることが出来る。だからこそGoogleはネットの世界を牛耳っていて当然だと思っていた。

しかしこの記事を読んでGoogleという企業に疑問を持った。

Googleというネットの基盤に信頼を持ちすぎていたのではないか?

この記事で言及されていることを要約すると、こうだと思う。

Googleの運営はまるで絶対王政ではないのか。」

たしかに、SEOや広告の掲載順序などのシステムはユーザーが求めているものが評価されるシステムになっており、検索エンジンというシステムにおいては本質的なものになっていると思う。

けれど今回の「AMP」のルールには悪意ある広告・不正な広告の規制にとどまらず、広告費の承認・規定までが含まれている。これはGoogleによるインターネット世界の管理領域がより一層広がってしまったということだろう。

確かにGoogleの「AMP」の特性である、読み込みが速く・理解しやすく・不要なクラッタや混乱が存在しない・ネット環境はユーザーにとって理想的な環境である。

しかし、インターネットはウェブサイトを運営する者、広告をPRする者がいて成り立っていることも忘れてはならない。このままGoogleによる管理領域が拡大し続ければ、当たり前に存在していたGoogleという存在そのものを疑う者も増えるだろう。

広告を出稿する側としても、よく考えるべき事例であると思った。