見られていない広告費だまし取り「アドフラウド」横行!アダルトサイトから勝手に飛ばしてカウント

 1兆5000億円超の市場規模があるネット広告で、不正な「飛ばしウラ広告」が広がっているという。企業地や自治体から広告費を不正に詐取、不当に横取りする手法で、日本インタラクティブ広告協会は「アドフラウド」などと名付けている。

   クローズアップ現代+の取材班は、あるアダルトサイトを調査した。このサイトを閲覧すると、見るつもりのない「まとめサイト」に勝手に飛ばされ、サイトの広告を見たとカウントされてしまう。そこには大手企業や国、自治体などの広告が掲載されていた。

広告代理店や配信事業者もチェックしきれず

   こうしたネット広告は、広告代理店や配信事業者を通して、さまざまなウェブサイトで構成される「アドネットワーク」に配信される。基本的にサイトの閲覧が多いほど、広告費も高くなる。

   NHKネットワーク報道部の田辺幹夫記者は「(広告の)配信先のウェブサイトはきわめて数が多く、広告代理店も配信事業者もすべてをチェックしきれないというのが実情です」と報告する。

   「自分たちの知らないところで、こういう被害というか。憤りを感じます」と広告がまとめサイトに配信されていた曽於市職員は話す。曽於市まとめサイトへの配信を停止した。

 

考察

今回の記事はネット広告の出稿に関する不正業者の存在について。

いままで紹介してきたようなネット広告の成長や便利な新システムの記事とは逆の、マイナスの側面に焦点を当てた記事の考察である。

記事に述べられているとおり、基本的に広告費はユーザーにインプレッションする回数をもとに決定される。そのため不正なサイトに悪用され、広告に全く関心のないユーザーに無理やり提示されるということは、広告費の無駄遣いになる上に、広告の商品のイメージダウンにつながりかねない。

また、この問題を難しくしている点はネット広告特有の「インターネットの広大さ」にも大きく関係していると思う。

インターネット上で不正な広告流用が行われているとわかっていても、その存在の特定は一筋縄ではいかないだろう。

インターネット広告市場はこれから一層増大していく。それに伴って不正行為を行う業者も必然的に増えていくことが想定できるため、インターネット運用側は自身の広告が悪用されている可能性を常に考えていく必要があるだろう。

また、この問題点に目をつければ「ネット広告のセキュリティ業」という業種も新たに広まっていくかもしれない。