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できるビジネスマンは「数字に強い」ってよく聞きますよね。
でも「数字に強い」ってどういうことなんだ!
僕も同様の疑問を持っていました。
「暗算がめっちゃ速い人」、、、?
「数学の授業で良い成績をとっていた人」、、、?
深沢慎太郎さん著作の『「仕事」に使える数学』ではどれも違うと言われています。
この記事では「数字に強い人」とは何かを知って、できるビジネスマンの仲間入りをしてやろう!と本書を手に取った私が知っておいてよかったと感じた
「数字に強い人」の正体をお伝えしていきます。
社会人に求められるのは「数学のできる人」じゃない
学生時代の数学の成績が良かった人とは、どんな人でしょうか?
この質問に対する答えは「与えられた問題を速く、正確に解ける人」です。
つまり、130,000×7÷3.14=?
という風に、定められたルールの中での処理能力を評価されていたと言えます。
これに対し、仕事の場面では結論が決まっているケースが圧倒的に多いのです。
どういうことかというと、例えば今年獲得すべき粗利が10億円であるとします。
すると、売上を□億円、抑えるべきコストを△億円にして、
□ー△=10億円
となるように考えて仕事を組み立てるはず。
このように、ビジネスの現場では答えは決して一つだけとは限らないのです。
著者の深沢さんは、この問題を通じて「結果を与えられ、その結果になるためにどんな素材の組み合わせが必要になるかを考える力」が現場では求められることを主張しています。
仕事において必要な思考法は「ツルカメ算」
はじめ僕は「ツルカメ算ってなんだっけ、、、」となりました。
そんな方のために簡単に問題を紹介するとこんな感じ。
ツル、カメ合わせて10匹、足の数が合わせて32本の場合、ツル、カメそれぞれどれだけいますか。
ツルカメ算の考え方は、「仮に10匹すべてツルだったとしたら、、、20本。それじゃ足りないから32-20=12で、12本分カメの足を足せばいいから、、、」という感じ。
ちなみに答えはツル4匹の、カメ6匹です。
ここで重要なのは「仮に10匹すべて○○だったら、、、」の部分です。
なぜならビジネスという観点となると、「仮に○○として考えてみること」で
矛盾や問題となるポイントを見つけ出し、それを埋めることが求められるからです。
本書では以下のような具体例を挙げて説明されています。
例えば、営業マンならば「ツルカメ算」の考え方を使って、
「まず、お客様が私たちの製品を購入したと仮定する」
↓
「そのとき、お客様にネガティブなことが起こるとしたら何か」
↓
「それを埋める提案をすればいい」
↓
「なぜなら、断る理由がなくなるから」
という思考プロセスを取ることが大切です。
確かにこのようなアプローチが出来れば、より説得力のある提案ができるようになりそうですね!
計算スピードよりも誤りに気付くこと
僕の思う「数字に強い人」というのは、暗算がすぐにできる人や、企画書に羅列された数字をすぐに読み込める人、、、というイメージでした。
しかし、見事にそれは思い込みだということを伝えられました。
「数学ができる人は、計算が速くできる」
これは大きな誤解です。もちろん傾向としてはありますが、数学の本質は「問題を解決すること」です。
計算が重要ではないのかというと、そうではありません。お伝えしたいのは、速くできることよりももっと大切なことがあること。
それは何かというと「この計算結果、何かおかしくない?」と気づくことです
この筆者の主張を裏付けるための問題として、以下の問題が紹介されています。
Q.1台のダンプカーの荷台に積めるゴルフボールの上限数はおよそ5万個である。これは、正しいか誤りかを推定せよ。
この問題は、大手IT企業やコンサルティング会社などの入社試験で出題されている類のものだそうで、私もこの問題の考え方は非常に大事だと感じました。
この問題で求められるのは計算スピードでもなければ、正確性でもなく、推理して正誤を判断する能力です。
まずは、ダンプカーの荷台という大きな「箱」で考えるからイメージが出来ないわけです。ここは、引っ越しでよく使う段ボール箱を考えてみましょう。正確である必要はなく、ざっとゴルフボールの数が10×10×10=1000個入るものとしましょう。このくらいの大きさであれば、イメージできますね。
では、この段ボールの箱は、ダンプカーの荷台に何箱置くことが出来そうでしょうか。仮に縦に20箱、横に5箱並べられるとするならば、積み上げることなく1段だけだとしても20×5=100箱入れられます。ゴルフボールの合計数は1000×100=100,000。そう、ざっと計算しても1ケタ違うのです。
ということは、およそ5万個という主張は極めて疑わしいという結論になります。
たしかに、コンピュータのように正確に素早く計算することよりも、推理して不整合を正せる人のほうが、仕事の現場で活躍できますね。
まとめ
いかがでしたか?
本書で主張されている「数字につよい人」の特徴をまとめると
・「結果を与えられ、その結果になるためにどんな素材の組み合わせが必要になるかを考える力」
・「仮に○○として考えてみること」
・「推理して正誤を判断する能力」
でした!
他にも本書では「数学的ビジネス思考がすぐに身につく45のスキル」が分かりやすく楽しんで学べるように紹介されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。