「稼げる」ネット広告、不正も 2000億円市場、背景にスマホ普及

■審査の目くぐり違法表記 悪質さ巧妙化

 アフィリエイトサイトには、違法な誇大表記やランキングの不正操作など、悪質なものも多い。業界団体「日本アフィリエイト協議会」は対策を進めるが、閲覧者を少しでも増やしたいアフィリエイターや、自社商品の評価を上げて売り上げにつなげたい広告主、仲介会社(ASP)が不正に加担することもあり、いたちごっこが続く。

「審査の目をくぐり抜けて不正に及ぶアフィリエイターがいる」。ASP大手「バリューコマース」(東京)の担当者がため息をつく。

 同社は契約するアフィリエイターのサイト開設時に、法令違反の有無などを審査し、違反があれば強制退会や契約解除とする。しかし、事前審査で問題のなかったサイトが、会社の営業時間外である夜間や休日に「飲むだけで若返る」「不妊が治るサプリ」などと、医薬品医療機器法違反となる記述を掲載していたことが発覚した。

 契約を打ち切っても、アカウント名や口座番号を変えて再登録するケースも。担当者は「大多数はルールを守っている。一部で手口の悪質さが巧妙化している」と話す。

 広告主やASPの不正もある。同協議会によると、両者が組み、自社製品にライバル社より優れた効能があると書くようアフィリエイターに指示し、検索結果の上位に表示させるよう働きかけた例も判明している。

 同協議会は不正を防ぐため、消費者庁日本広告審査機構(JARO)と情報交換して実態把握に努めるほか、アフィリエイト初心者向けの講習会で法令順守を訴えている。

 笠井北斗代表理事は「本来はアフィリエイターと広告主、ASP、消費者の全員が利益を得られる仕組み。誰かが不当に利益を得ようとすると、最終的に不利益を受けるのは消費者だ。アフィリエイトの健全な発展のために、業界で相互に監視する仕組み作りが急務だ」と話している。

 

考察

今回はアフィリエイト広告の不正に関する記事。

私も現在取り組んでいる広告とあって、他人事とは思えない箇所が多数ある記事であった。

おもな問題点は以下。

・アフィリエイターの不正

その気になれば参入障壁が低く、手軽に誰でも始めやすいアフィリエイト。だからこそ「楽に稼ぎたい」という思いで悪質なキャッチコピーや表記を乱用する者が後を絶たない。

実際私も1投稿目は無意識にかなり胡散臭い記事を書いてしまった経験がある。これは「文章を投稿すること」自体に規制がかからない、現在の日本において表現の自由が保障されているが故に起こる事例だ。

「楽に○○したい」という思いはほとんどの人間が抱きやすい感情のため、今後ネットが発展するに伴って、このようなアフィリエイターは増加するだろう。

対策としては本記事でも述べられているが、初心者講習を行うなどして法令順守意識を浸透させることが求められるだろう。自動車講習ほどのものでなくとも、誰でも簡単に提携ができるような環境になっている現状を踏まえると、このような制度は整えられていくべきである。

 

・広告主・ASPの不正

こちらの問題は、もはや起こってはならないものだ。

リテラシーの低い個人アフィリエイターが上述のような問題を起こすのならまだしも、「広告を出してほしい」「広告を仲介しますよ」と言っている側が悪質行為を促しているということはインターネットという世界の秩序が整っていないことを象徴している。広告主とASPだけが得をし、消費者とアフィリエイターが被害を被らざるをえない事件だ。

たとえ取引がインターネット上で行われているとしても、マーケティングの本質である「顧客に価値を提供すること」を見失ってはいけないと強く感じたニュースであった。