偽フォロワーを購入しているインフルエンサーを見分けるAIツールが登場

インフルエンサーマーケティングは、オンラインでユーザーを獲得するためのチャネルとして急速に成長している。だが、ブロガーの中には、インフルエンサー需要の高まりを受け、偽のフォロワー、「いいね!」、コメントを購入してブランドからの広告収入を増やそうとする者もいる。

 一方、ブランドにとって常に問題となるのは、どのプラットフォームにマーケティング費用を投じれば最大の成果を上げられるのかを見極めることだ。また、特に若い消費者に関して、どのプラットフォームがマーケットをつかめるのかも判断しなくてはならない。

eMarketerが発表したソーシャルネットワークに関する予測によると、Facebookは若年層のユーザーを他のプラットフォームに奪われることになりそうだ。

 2018年には、米国に住む24歳以下のユーザーのうち、200万人がFacebookを離れる一方、Instagramはこの年齢層のユーザーを新たに160万人、Snapchatは190万人獲得するとeMarketerは予測している。

 若い世代の人たちは、セレブリティやインフルエンサーが自分の購入意思に影響を与えていると答える傾向が強く、またネット上の情報全般に影響を受けやすい。中でもユーザー生成コンテンツ(UGC)は、若者に圧倒的な影響力を持つコンテンツだ。今や消費者がブランドにとって最良の広告塔であり、インフルエンサーが売り上げをけん引している。

 だがブランドは、信頼できるインフルエンサーをどうやって判断するのだろうか。

 キプロスの首都ニコシアに本拠を置くHypeFactoryは、人工知能(AI)を利用したマーケター向けのツールを開発している。このツールを使うと、インフルエンサーInstagramアカウントに偽のフォロワーや「いいね!」が含まれていないか確認できるという。このツール「Auditor for Instagram」は、10万人を超えるアカウントの分析結果に基づいて、信頼性に関する統計データを作成している。

 

 具体的には、AIを使ってごまかしを検出し、それを基にオーディエンスの質を示すスコアを算出することで、ブランドに利益をもたらさないフォロワーを特定する。オーディエンスの質を示すスコアは、エンゲージメント率、エンゲージメントの信頼性、フォロワーへのリーチ力などに基づいて、100点満点で算出される。

 ブランドは、トークンを購入することで、Instagramインフルエンサーが信頼できるかどうかを確認し、彼らに投資した場合に期待できる成果を判断できる。

 

ユーザーは優れた判断力を持っており、コンテンツがUGCであるか、ブランドが作成したものであるかを簡単に見分けられるが、そのUGCが信頼できるものであることを確認したいと考えている。Stacklaが公開した消費者への影響力に関する調査レポートによると、消費者はブランドが作成したコンテンツよりUGCの方が信頼できると感じている。

 そうした中で、ミレニアル世代に影響力の大きいチャネルとして台頭しているのがInstagramだ。米国、英国、オーストラリアの18歳以上を対象としたStacklaの同調査では、この世代に該当する回答者の約30%が、自分たちの見たいと思うコンテンツをブランドが作成しているプラットフォームとしてInstagramを挙げた。

 また、回答者の86%が、どのブランドを好み、支持するかを決めるのにあたって重視するのは信頼性だと回答している。

 

考察

今回はいつもとは視点を変えてインフルエンサーマーケティングについて注目してみた。その理由は今までインフルエンサーの影響力を私は軽視していたのだが、先日イケダハヤトさんのブログの書き方を参考にしようとサイトを訪れたことにある。イケダハヤトさんの記事の一つには株式会社UZUZが紹介されていた。私は「おーイケダハヤトも紹介してるのか!」と思い、自分の中で一種の信頼感のようなものが積み重なった印象を感じた。

この瞬間インフルエンサーマーケティングの威力を実感した。

 

そんなインフルエンサーの影響力に目を付けた「偽インフルエンサー」というものが存在していることは初耳であった。

「いいねが買える」「フォロワーを一日1000人買う」

そもそもこのようないいねやフォロワーに「買う」という言葉が使われていることが衝撃だった。

 

この記事では偽インフルエンサーを見分けることが出来るシステムが紹介されているが、そもそもこれは自力で見破れるものではないのだろうか。

仮に広告主がインフルエンサーマーケティングを始めてみようと考え、ペルソナ設計をしたうえで、適切なインフルエンサーを探す場合にはこのような偽物は対象に含まれること自体が起こりえないのではないか?

なぜなら偽インフルエンサーが買えるのは結局「売買可能なフォロワー」であり、「リアルな存在を持つフォロワー」ではないからだ。そしてペルソナの対象となるのはもちろん「リアルな存在をもったフォロワー」である。

インフルエンサーは「いいね数」や「フォロワー数」は水増しできたとしてもリアルなフォロワーとのコメントはできない。そのため、大概の偽インフルエンサーマーケティングの対象となる前に見破れるのではないかと思う。

 

しかし、botとリアルのフォロワーを半々で獲得しているマイクロインフルエンサーには注意が必要だ。

このようなマイクロインフルエンサー(ここでは5~10万人程度のフォロワー規模をさす)は実際にほどほどに質の高い投稿もしており、コメントにもリアルのフォロワーからのものが幾つか来るものが多い。

このようなマイクロインフルエンサーと提携すると、当初の予定よりも効果が出ず、後になってから気づくというケースもありそうだ。

このような場合には本記事で紹介されているシステムも効果を発揮するだろう。

いずれにせよ、自社の大切な商品を他人にPRしてもらうのならば、十分なリサーチと戦略策定の上で実行に移すべき、ということだろう。