Instagramの「ショッピング機能」を解説! 導入方法&活用事例&支援サービスまとめ

6月5日、Instagramは米国で3月から開始していたショッピング機能を日本でも開始すると発表した。ユーザーにとってInstagramでのショッピングとはどんな体験になるのか、すでにテスト導入した国内3社はどんな手応えを感じているのか、また、Instagramの製品マーケティングディレクターが語ったInstagramのビジネス利用の現状はどんなものなのかをまとめた。

Instagramのショッピング機能とは

ショッピング可能な投稿をすると、フィードやビジネスプロフィール上の写真の左下に、ショッピングバッグのアイコンが表示される。

ショッピング機能を導入するのに費用はかからないが、Instagramショッピングの承認を受けるには下記の条件が必要だ。

ショッピング機能の導入に必要な条件
  1. ビジネスで、提供者契約コマースポリシーに準拠した物理的な商品を販売している
  2. Instagramアカウントがビジネスプロフィールに移行済みである
  3. Instagramアカウントが所有権のあるFacebookページと接続されている
  4. Facebookページでショップセクションを追加もしくはビジネスマネージャでカタログを作成している(あるいはBASE、EC-Cubeなど、カタログ作成をサポートする国内事業者のECプラットフォームと連携する)

上記の要件が満たされるとInstagramによるアカウント審査が行われ、製品のタグ付けができるようになる。

以下は国内でも率先してショッピング機能を導入した3社のコメントである。

 

BAYCREWS

これまでユーザーとのエンゲージメントは「いいね」やコメントだったが、ショッピング機能によってユーザーが気になったり欲しいと思ったりしたモチベーションが高い状態のときに購入への導線を作れるので、今まで以上にエンゲージメントが高められると思っている。また、商品情報だけでなくブランドの世界観を伝えられる。

サイト流入で新規率が他のソーシャルよりも高い。これまでの集客施策だけではリーチしきれていなかったユーザーがまだまだInstagramにいることを実感している。今回テストに参加したのはBAYCREWS全体のアカウントだったが、今後は各ブランドのアカウントにもショッピング機能を導入し、ユーザーとのエンゲージメントを高めていきたい。(ベイクルーズ EC統括 馬來 真知子氏)

 

BOTANIST

Instagramに期待しているのは、ブランドの醸成やイメージ訴求だったが、ショッピング機能で興味関心から購入までシームレスな体験が提供できることに期待している。

ショッピング機能を導入してまだ1週間ぐらいだが、CTRで他に類を見ない数値が出ている。投稿を工夫しながら波に乗っていければと考えている。フィードを作るのがちょっと大変だったが、効果が出たので苦はない。(I-ne 販売本部 ECセールス部 部長 小松 悠氏)

 

minne

これまでInstagramでもらっていたコメントに「どこで買えるんですか?」というものが多かった。買える場所のURLやキーワードは載せていたが、購入までのハードルが高かったようだ。それがタップだけで購入しに行けるようになることは大きい。流入は増えており、もともとURLを掲載していたビジネスプロフィールからの流入が落ちるのではなく、それにプラスして各投稿からの流入が増えている

minneにとってInstagramは作家さんを助ける手段。ライブ配信でワークショップなどの動画もしており、反応はとても良い。今後も作家さんとコラボレーションしながら、体験を提供する場としてInstagramを活用していきたい。(GMOペパボ minne事業部 部長 阿部 雅幸氏)

 

考察

 インスタグラムでショッピング機能が導入されていたのは恥ずかしながらこの記事を読むまで知らなかった。

しかも導入日が6月5日であるとは衝撃である。4か月も認知していなかったとは。。ターゲティングやリスティングなどのネット広告だけでなく、このようなSNS系の情報へのアンテナもしっかり張っておかなければと思った。

 

 調べたところ、このインスタグラムのショッピング機能は使い方によっては高いCVRをたたき出すことが出来るようである。

その理由はやはり、投稿による購買意欲の掻き立てから購入までの経路が整備されていることにあるだろう。

実際にminneの担当者のコメントでも述べられているが、投稿をみてからの「どこで買えるんですか?」というフェーズをショートカットできたことは非常に強い。私もつい先日、同じようなケースでamazonkindleでおすすめされた700円のビジネス書を1クリック購入してしまった。

 この「購買意欲の触発」→「即購入できる」という流れが高いCVRを生み出せる理由には人間の心理も影響していると考える。

インスタなどで商品の高いファッション性が表現された写真を見ると「ほしい!」という購買意欲を掻き立てられる人は多いと思うが、購入までの間に別サイトで比較したり、どこで買えるのか問い合わせたりするなどのタイムラグが発生する。このタイムラグがユーザーの冷静になる時間となり、投稿で購買意欲を掻き立てられた段階よりもCVまで到達するユーザーが減少する要因となっていた。

しかし購買意欲を掻き立てられた段階で「1クリック購入可能」のようなボタンが設置されていることでCVの妨げとなっていたタイムラグは解消。ユーザーは興奮を維持したまま購入できるようになった。

現在20~30代のユーザーを中心に抱えるインスタグラムでこのショッピング機能の導入は画期的だ。それに伴って、より本格的にマーケティング利用を開始する企業が増えていくことだろう。