「Instagram」ショッピング機能の運用一括支援サービス「Social Dig Shopping」開始

広告代理事業のアイレップは、写真共有アプリ「Instagram」のショッピング機能の実装から制作物・テキストといった投稿内容のコンサルティングInstagramアカウントの運用まで一括して支援するサービス「Social Dig Shopping」を9月14日に始めた、と同日発表した。Instagramショッピング機能が日本で始まったことを受けた。

Social Dig Shoppingは、アカウントの開設、連携する作業、ショッピング実装の承認、実際の投稿などをサポート。Instagramショッピングを始めるのに必要となる商品リスト、価格、在庫などの情報をまとめた「製品フィード」を作成する。アイレップInstagramアカウント運用最適化サービス「Social dig Visual」とも連携する。

初期費用55万円から、月額37万円から。プロモーションに合わせ、影響力を持つ投稿者を意味するインスタグラマーの任命もオプションで用意した。Instagramショッピング機能は投稿からECサイトの購買ページに誘導する仕組み。企業は投稿に表示される商品に価格や商品名を記載したタグが付けられ、自社サイトをリンク先にできる。

 

考察

今回はインスタグラムのショッピング機能実装を受けて生み出された新サービス「Social Dig Shopping」を取り上げた。

率直に行ってこの新機能には賛否両論があるだろう。

 

まず、いいポイントとしては、コストさえかければインスタグラムを有効活用できるという点だ。インスタグラムは現在ユーザー数も10億人に達するといわれ、本記事の様にショッピング機能も導入され、多くのビジネスチャンスが眠っているプラットフォームである。しかしその反面ビジネスアカウントで成功するのは容易なことではないという。その理由は「写真による世界観の構築」というのがインスタグラム自身の特徴であるからだ。おしゃれな写真を投稿し、その世界観を気に入ったユーザーがフォロワーとなるというのが基本スタンスのため、そもそもがビジネス用のツールではないという点が成功の難易度を上げているといえる。

これに対し「Social dig shopping」は本格的にインスタグラムビジネスに参入するためのハードルを下げてくれる。実際の投稿の代行やユーザーに訴求できるコンテンツの作成を行ってくれるのならば「その企業がインスタ上でどのように戦ったらいいか」を発見できるきっかけにもなるだろう。

 

対して否定的な意見としては「投稿は企業自身がすべき」というものがあると思う。

現代ではこのような代行サービスはクラウドソーシングをはじめ浸透し始めているといえるが、「そのユーザー自信の世界観を表現する」ことがインスタグラムの根底にあるはずなのに、「この写真を使って、このテキストでいけば成功する」といったように他者の知見から世界観を構築してしまっては、本質的でないような気がする。

筆者の考えとしては、インスタビジネスに参入する際のきっかけとしては大いに利用できるが、企業が表現すべき一定の道筋・世界観がみえた段階で自社運営に切り替えるべきだと思う。

やはりその企業がどんな思いで事業をして、ユーザーに何を届けたいかということは、代行者ではなくその企業で働く人が最も良く分かっていると思うからだ。