Googleの「AMP」技術はインターネットを支配するか

あるAnonymous Coward曰く、 Googleは2016年にモバイルページを高速に表示させるための手法であるAMP(Accelerated Mobile Page)を提案した。AMPではGoogleのサーバー内にコンテンツがキャッシュされるため高速にコンテンツが表示される。また、GoogleはAMP対応サイトを検索結果ページに優先的に表示するといった優遇策も行なっていた。これに対し、「Googleの支配が強まるのでは無いか」という声が出ている。
 Mac Observerの共同設立者のBryan Chaffin氏は、AMPは、Googleが基本的にウェブのホスティングを支配するためのものだと主張する。GoogleにとってAMPで完全に構築されたウェブサイトは理想的な存在だ。読み込みが速く(クロールが速く)、理解しやすく(必須とされる構造化データのおかげで)、不要なクラッタや混乱(標準を破るようなもの)が存在しない。AMPのルールを守らないページは排除され、モバイル検索から消去される。
 Googleにとって副次的なメリットも存在している。それはAMP上では広告などにも決められたルールがあり、Googleによる広告の制御が可能になる点だ。不正な広告ネットワークや悪意のある広告を排除できるだけでなく、収益源はGoogleによって承認・規制されるようになっていく。
 Chaffin氏は、このGoogleによる支配を避けるため、家族や友人にGoogle以外の検索エンジンを使用し、chromeの使用を停止させ、選挙で勝利した議員などにGoogleの独占を調査するように依頼すべきだと主張している。

 

考察

今回この記事を読んで興味深く思ったことは、Googleという企業の役割についてだ。

以前の私とってGoogleという企業はインターネットの世界にごく当たり前に存在していて、PCを開いたら「Google」というロゴが表示されることに何の違和感も抱かなかった。そう、Googleが存在するから自由に検索エンジンを使用することができ、様々なことを知ることが出来る。だからこそGoogleはネットの世界を牛耳っていて当然だと思っていた。

しかしこの記事を読んでGoogleという企業に疑問を持った。

Googleというネットの基盤に信頼を持ちすぎていたのではないか?

この記事で言及されていることを要約すると、こうだと思う。

Googleの運営はまるで絶対王政ではないのか。」

たしかに、SEOや広告の掲載順序などのシステムはユーザーが求めているものが評価されるシステムになっており、検索エンジンというシステムにおいては本質的なものになっていると思う。

けれど今回の「AMP」のルールには悪意ある広告・不正な広告の規制にとどまらず、広告費の承認・規定までが含まれている。これはGoogleによるインターネット世界の管理領域がより一層広がってしまったということだろう。

確かにGoogleの「AMP」の特性である、読み込みが速く・理解しやすく・不要なクラッタや混乱が存在しない・ネット環境はユーザーにとって理想的な環境である。

しかし、インターネットはウェブサイトを運営する者、広告をPRする者がいて成り立っていることも忘れてはならない。このままGoogleによる管理領域が拡大し続ければ、当たり前に存在していたGoogleという存在そのものを疑う者も増えるだろう。

広告を出稿する側としても、よく考えるべき事例であると思った。